地域との関わり方は十人十色で、さまざまな関わり方があると思います。地域で何かしたいと思っていても、どう行動していけば良いか分からないこともあるのではないでしょうか。特に、これから社会へ巣立っていく大学生は、将来どのように地域と関わりしろを持っていくか、悩むことも多いと思います。
今回はインターンやボランティアを通して得たものをテーマとして、大学生が歩んできた道とこれから踏み出す一歩について、地域活動を行ってきた現役の大学生である渡邉 蛍都さん(東洋大学4年生/NPO法人ETIC. 事務局インターン)と、弊社インターンの大学生同士のトークをお届け。
在学中、これまで地域との関わりや、培ってきた都市部の若い担い手と地域をつなぐノウハウは、大学を卒業後どのように活かし続けるのか。そして、学生や若い担い手に向けて伝えたい想いとは。
被災地で地域に貢献することが、人との縁を育み課題解決の糸口になることを知ったきっかけに全国へホタテの魅力を届けることに
平野(モデレーター:以下、省略):それではよろしくお願いします。まず蛍都さんの地域における活動についてお伺いできますか?
蛍都さん(以下、敬称略):活動は大きく分けて2つあります。
写真左>渡邉 蛍都(わたなべ けいと)さん:東洋大学4年生(2022年2月現在)・NPO法人ETIC.事務局 インターン・隆勝丸アンバサダー/名前の「蛍都」は「蛍」のように小さくても自分で光を放ち、その光で仲間と一緒に「都」 を作りたいという願いが込められている。大学では情報を収集・デザインし、発信力を身に着けてイ ベント等を開催することで地域の情報発信に繋げる取り組みをしている。学生ボランティアサークル(通称:学ボラ)に所属し、地域活性化につながるイベントを企画・運営に携わる。大学卒業後はエティックに就職する。
蛍都:1つは、大学時代に株式会社 隆勝丸のもとで、ボランティア活動やインターンシップに参加しました。そこで、人とのつながりを大切にしたことからご縁につながり、今ではホタテアンバサダーとして、全国にホタテの魅力を届ける活動をしています。
もう1つは、NPO法人 ETIC.(以下、エティック)が運営している地域ベンチャー留学の事務局で長期インターンをしていて、全国の学生に地域の課題解決に挑戦する楽しさを伝えています。
地域ベンチャー留学というのは、学生が春休みと夏休みに地域に1ヶ月間住み込みをして、経営者の右腕として地域に貢献していくプログラムなのですが、実際に大学3年生の時に私自身も経験しました。
地域ベンチャー留学は、日本全国の挑戦を続ける地域企業やNPOの経営者の右腕となり、新規事業や商品開発などにチャレンジする実践型インターンシップ・プログラム。1か月間現地に住み込むプロジェクトから、オンラインがメインで一部現地訪問を行うハイブリッドインターンなど、それぞれの関り方で経営者・地域が抱える課題の解決を目指す(出典・引用:https://cvr.etic.or.jp/)。
蛍都:学生の私が地域で活躍できたことや、第二の故郷ができた喜びを次の世代につなげていきたいと思っています。
平野:私も現在、ここでインターンをしていますが、蛍都さんのインターンに参加されたきっかけについてお話しいただけますか?
写真右>平野 彩音(ひらの あやね):大正大学 地域創生学部2年 町おこしロケーションタイムス インターン/三重県松阪市飯高町出身。三重県立飯南高等学校在学中に空き家片付けプロジェクトなどに取り組み、卒業後も地域と関わりを続けて空き家問題などの地域課題に取り組んでおり、その活動が注目され、「地域人(地域構想研究所 地域人)71号」で取り上げられる。最近は地域の特産品に関わることにも携わりながらweb「空き家活用特集」での情報発信も行う。
蛍都:高校2年生の時に参加した被災地ボランティアがきっかけです。瓦礫撤去の活動を行ったのですが、本当に役に立っていたのか、お客様になっていないか、すごく後悔が残ったんです。そのことから大学でも東北に貢献していきたいと思いました。
大学1年生の時に、東北応援プロジェクト(TOP)に参加した中で「復興庁の復興・創生インターンシップ事業があるよ」と教えていただき、もっと自分の挑戦を広げたい思いから、ホタテ漁師さんのもとでインターンシップに参加しました。
非対面でのインターンシップにおけるメリットと課題を意識しながら、継続的に地域と関わるための信頼関係を得ること
平野:オンラインでの地域活動の良さと課題をお伺いできますか?
蛍都:学生ボランティアやインターンシップは、学業との両立が難しく、一過性になってしまうことに寂しさを感じていますが、オンラインでの活動であれば学業との両立がしやすくなり、一過性ではなく継続的に関わることができると思います。
私自身、社会人になってからも地域に関わっていきたいと思っているのですが、課題に関しては、信頼関係を築きづらいことで、人と信頼関係を築く上ではやはり対面に勝るものはないと考えます。
平野:おっしゃる通りですね。オンライン上で人と関わる時に気をつけていることや、心がけていることがあれば教えてください。
蛍都:新しく会った人と、二度目に会った時にも覚えていただきたくて、初対面の段階でしっかりお話を伺い「またお話を聞きたいです」「今度ぜひご一緒させてください」と自然に伝えられるように心がけ、「二度目まして」の関係性を築くように意識しています。
一緒にボランティア活動した東洋大の学生と